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石井
インタビュー

お問い合わせ体験を進化させる「 Interviewz 」プロトタイプからリリースまでの記録

2017年2月
参加者インタビュー
石井さん

15.05.07 石井さんインタビュー

プロトタイピング道場 (以下「道場」) の参加者である石井さんに、リリースまでの流れをインタビューしました。Interviewz (インタビューズ) は、プロトタイピング道場で初期のプロトタイプ構築を支援させていただきました。

自己紹介とサービス紹介

斉脇: 本日はありがとうございます。簡単に自己紹介の方よろしくお願いします。

石井: 大学を卒業して、朝日アーサー・アンダーセン(現: PwCコンサルティング合同会社)に入社して、4年ほどコンサルティングなどを行なっていました。その後、上場直後(2006年)のドリコムに移って、事業再生から、新規事業立ち上げ、子会社代表など色々な事業に関わりつつ、合計で10年ほどいました。2016年12月にラーナーズ株式会社を起業したというキャリアです。

斉脇: どんなサービスを運営されているのですか?

石井: ビジネスアドバイザリーで企業の支援をしながらInterviewzというお問い合わせ体験の問題を解決するプロダクトを作っています。

斉脇: どのような背景で作ろうと思われたのですか?

石井: 前職でカスタマーサポート (CS) x 人工知能 (AI) のプロジェクトを主導していた際に感じた事ですが、ネット黎明期からお問い合わせフォームの体験が変わっていないと思っていました。CSのバリューは、お問い合わせの内容、背景を、如何に的確に把握するかで決まってくるのですが、お問い合わせフォームの体験、いわゆる連絡先とフリーフォーム、以上よろしく、という体験ってなんでこの時代に変わっていないのかと。

斉脇: 確かに変わっていないですね。

石井: お問い合わせを正確に返す為に、ユーザーの情報をストレスなく、的確に把握するソリューションを作ろうと思いました。前職でアプリの運用などを見ていたこともあり、イベントのたびに大量にくるお問い合わせに課題意識がありました。

斉脇: 具体的にはどんな感じですか。

石井: プロダクトは、お問い合わせを行う前に問診体験を提供します。そのためのヘルプ記事、問診のための質問、選択肢を編集可能とするCMS, 診断結果を収集、分析して最適化する機械学習要素、お問い合わせのメール送信機能などがあります。

プロトタイピング道場参加からリリースまで

斉脇: 道場が17年の3~4月とかだったと思うのですが、その後のスケジュールはどんな感じでしたか?

石井: 17年4月に道場でプロトタイプができて、5~7月はエンジニアの採用をやっていました。7月で開発準備みたいなことをやって、8月から本格的に開発を始めました。

斉脇: エンジニアもデザイナーもフリーランスの方ですか?

石井: そうですね、業務委託という形でお願いしていました。開発はチーム立ち上げから含めると課題もありましたが、関わるメンバーがプロダクトコンセプトを理解してくれた事もあり、大きなトラブルもなく開発ができている状況です。リリース前からオファーをいただき、1社利用スタートできそうです。

斉脇: 素晴らしいですね!パッとデモを見せてもらった感じ、だいぶ作り込まれていますよね。

石井: 先ほどお話したようにエンジニアは、プロダクトコンセプトを理解し、昨日要素への落とし込みまで、自走してもらってるところもあり、僕の過去の経験含めていいチーム開発ができると感じています、感謝ですね。

採用、開発マネージメント、予算

斉脇: 僕も少しお手伝いさせていただいたのですが、エンジニアの方はどのように探されたのですか?

石井: いわゆる仲介会社を使って、フリーランスの方を探しました。まだ創業間もないフェーズということで、フルタイムの正社員というよりも、業務委託のような形で関わってくれる方を探していたので。斉脇さんには、仲介会社から紹介されるエンジニアの方のプロフィールを一緒に見てもらったりしていました。

斉脇: 正直、プロフィールを見てもなかなかわからないんですけどね。

石井: エンジニア同士でも難しいなら、エンジニア以外がエンジニアの目利きをするというのはとても難しいと思います。ただ、最初のコアエンジニアはとても重要です。このエンジニアの方で全然違うので。エンジニアとしてのスキルもそうですが、事業やプロダクトに共感してもらわなくてはいけないのも、大変なところだと思います。

斉脇: 現在のエンジニアの方と会うまでも半年ぐらいかかっているわけですよね?

石井: はい。ただ出会いに時間がかかるのはしょうがないと思います。逆にそれぐらいの短期間で出会えたと考えることもできます。

斉脇: 僕が聞くのもあれなのですが、プロトタイプって役に立ちましたか?

石井: 役に立ちましたよ!採用の過程で、エンジニアの方にこんなことをやりたいと説明するじゃないです か。基本はパワポで説明するわけですよ。でも、まだ世の中にないプロダクトをイメージしてもらうのってなかなか難しい。プロダクトのイメージができなければ当然共感してもらうこともできない。プロトタイプがあれば、どんなものを作りたいかイメージしてもらいやすくなるので、仲間集めに役立つと思います。イメージしてもらえれば、あとは共感してもらえるかだけなので。1ヶ月30万で自分の整理をしつつ、プロトタイプが作れれば十分コスパもいいと思いますよ。

斉脇: おぉ!そう言っていただけるとありがたいです。ちなみに、今の開発体制はどんな感じなんですか?

石井: 週1~3日で開発をしてもらっている方が6名います。内訳は、サーバーサイド( Flask)が1人、クライア ントサイド(React)が1人、WEBデザイナー兼コーダーが2名、インフラ担当、機械学習各1名です。

斉脇: 結構いますね。

石井: ただ全員パートタイムなので、6人の合計で月160〜200時間ぐらいの稼働だと思います。1〜1.3人月ぐらいですよ。

斉脇: なるほど。開発管理はどんな感じですか?

石井: 基本的にはリモートで開発していますが、週1回は顔を合わせて2時間ほど打ち合わせをしています。オフィスに来れない場合は appear.in などで参加してもらっています。コミュニケーションは Slack 、タスク管理は GitHub Issues を使っています。

斉脇: 石井さんも GitHub に入って管理しているんですか? エンジニア以外の方は GitHub 嫌がるイメージ もありますが。

石井: 自分も GitHub Issues を見ています。エンジニアの方が効率よくやってもらうことが優先なので、自分が合わせればいいやという感じでやっていますね。

ビジネス展開について

斉脇: プロトタイプを作った後、ヒアリングや事前販売はしましたか?

石井: ヒアリングは現在も継続的にやっています。前職からの繋がり、知り合いなどを中心に聞いています。開発中もビジネス展開含めてずっと継続しています。

斉脇: 今後の販売計画とかってどんな感じを想定してるんですか?

石井: 年内に5社ぐらい、それぞれ違う業界で使ってもらいたいなと思っています。来年以降は各業界ごとに本格的に営業しつつ、セルフサーブで使ってもらえるような SaaS になればと思っています。

斉脇: 最初は1社づつ丁寧に導入していくという感じなんですね。

石井: そうですね。導入ステップについてはまだまだサポートが必要ですのでそこを丁寧に支援できればと思っています。進めながらプロダクト改善の戦略を定めて改善していきたいと思っています。

斉脇: どのぐらいの料金プランなんですか?

石井: 正直まだそこまで決めているわけではないんです。問題解決効果を確認して設定したいと思います。

斉脇: Zendesk や Intercom についてはどのように見ていますか?

石井: チェックはしてますね、非常に優秀なプロダクトですし、成長著しいです。プロダクトとしてどこで強みを作るかという点で見てますが、彼らはお問い合わせ管理とその顧客管理に紐づくマーケティング機能が秀逸ですので、当社としてはユーザの情報収集に特化していきたいなと考えています。仮説ですけどね笑

斉脇: その他に営業をしていて比較されるものはありますか?

石井: 流行りということもあり、チャットボットとの違いについて言われることもあります。ただ、チャットボットはあくまでもコミュニケーションツールだと思っています。ストレスフリーに困ったことを解決するツールという点では、チャットボットとも補完関係だと考えています。

斉脇: コールセンタービジネス、チャットボットとも補完関係ということですね。

石井: そうですね。両方とも接続先という認識です。

斉脇: 音声デバイス はいかがですか?

石井: 今はユーザとの接触デバイスとしてスマホがメジャーですが、特別こだわっているわけではなく、ユーザとの接点が変わっていく時代とも捉えていますので、変化するタイミングであれば例えば音声デバイスなどにも対応していきたいと思っています。また多言語化による海外展開も考えています。

ビジョンについて

斉脇: こういう風な世界にしたいなどありますか?

石井: もともと、社会に長く残る課題を解決したいと思っています。このプロダクトについては世界中のお問い合わせをストレスフリーにしたいというのがこのサービスのミッションです。人が困っている瞬間に、それを解決をしたい。困 っている瞬間に解決するには、その人を知る必要があります。そのため、困っている「こと」を知る必要 もありますが、「人」を知る必要もあります。人に寄り添って、人の悩みとかを把握し、解決策を瞬時に 提示できるようなサービスを提供していきたいと考えています。

斉脇: 今回はお時間いただきありがとうございました。

石井: ありがとうございました。